渡辺コラム

漢方相談への想い

僕は田舎育ちで自然が好きです。

空を見上げたり、川のせせらぎを聞いたり、植物も含め動物たちの生きている様子に
心が和みます。

そんな僕が薬学部に入ったとき、自然と興味を持てたのが漢方の授業でした。

花、木の枝、木の皮、根、きのこ、石、昆虫、動物など、
自然界で精いっぱい生きている生薬の調和でできた漢方薬。
体に熱がこもれば冷ます、体が冷えれば温める、余分なものが溜まれば出す、不足しているものは補う、
そんな当たり前に良さそうな人の体のバランスを取ることに重点を置いた漢方の考え方。
漢方のどれもが僕には心地良いものでした。

しかし、今の日本の医療は西洋医学に重点が置かれているので、
漢方の授業はとても少ないのが現状でした。

大学4年になり、進路を決めないといけない頃に、親から「大学院はどう?」と言われた時に、
どうせなら学ぶなら漢方が良いと思い、漢方薬局への就職を決めました。
標準が西洋医学なら、みんな西洋医学に通じてて当然、みんなができない分野を
僕は頑張ろうとも思いました。

修行した漢方薬局で、漢方の独特な匂いを1日中嗅ぎ続ける日々。
この匂いは、強いけど嫌にならない優しい匂いです。

勉強し、その人ごとに乱れた体のバランスを整えて、元々の健康な体に戻すことに
特化した漢方の考えを知れば知るほど、僕はどんどん漢方が好きになりました。


修行時代は、師匠の相談を後ろでこそっと盗み聞きして、師匠の選んだ漢方薬を
煎じ続けることの繰り返しでしたが、その間に漢方を飲み始めて、胸のつかえがとれたとか、
皮膚炎が治まったとか、子宝に恵まれたとか、素晴らしい事例がありました。


漢方薬のイメージの1つに、長く飲み続けないと効かないというものがあると思います。
漢方薬は生薬の栄養素でもあり、根本的に人を作っていく力があるのですが、
どんなに良い栄養素をとっても次の1日で身長が1センチも伸びることがないように、
いくら栄養を体に入れようとも体は少しずつしか変化しません。
時間がかかって普通なのです。
(ただ、漢方でもかぜ薬などには即効性があり、タイミング良く服用できればすごく効きます)

この体質を変える力については、西洋薬ではほぼ皆無と言えます。
例えば、血圧の薬は一生飲み続けないといけないと言われることが多いのですが、
これは西洋薬に体質を変える力がないために、飲み続けないと血圧がまた上がってしまうからです。

とはいえ、早く強く効かせなければならない時に西洋薬は絶大な力を発揮します。
アレルギーによるショック症状や痛風や尿路結石による激痛、リウマチなどによる強い炎症、
様々な感染症などには、西洋薬は素晴らしい役目をはたしてくれます。

特に抗生物質の存在は欠かせません。

ただ、ここで忘れてはいけないのが、なぜこのような病気になってしまったかという原因です。
長年の生活習慣や食生活が、病気にかかりやすい体質を作っている可能性があります。
ここで生活習慣や食生活を改めなければ、高い確率で再発してしまいます。
たとえば、痛風になる方は、ビールや肉が好きな方が多いのですが、食生活を改めることが
出来ず、再度痛風発作を起こして来られる人はとても多いのです。

西洋薬のデメリットには、その場の解決が出来過ぎてしまうのために、生活習慣の改善を
おろそかにさせてしまっているということがあるのではないでしょうか。

本当は、薬なんて飲まずに元気で過ごせることが幸せであることをみんな知っているはずです。

急を要するときには西洋薬、落ち着いたら生活習慣の改善と漢方薬で体質改善、
満足いく体調のときは生活習慣の維持(年齢によっては体を下支えする漢方薬を補給する)。
ということを僕は提案いたします。

貴方の本来の健康を取り戻していくために、生活習慣や食習慣を見直すと同時に、
貴方に合った漢方を取り入れませんか。

ぜひ貴方に体質に合った漢方薬をコーディネートさせてください。
ご連絡お待ちしています。

サンポウ薬局
渡辺元貴

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