渡辺コラム

一生懸命と精神不安

人は一生懸命になり過ぎていると、いつの間にか精神不安定になっていることがあります。

一生懸命になり過ぎている時は、結果をとても求めがちになります。つい期待し過ぎます。他人に対しても期待し過ぎます。

結果が出せない自分はダメだ。
自分がこんなに頑張ってるのに、なんでみんな応えてくれないのか?

そしてその理由を探し始めます。

あの人はなんであんな態度をとったのだろう?自分になにか間違いがあったのか?どんどん過去のことを掘り返し、たらればで頭がいっぱいになっていきます。

期待通りの結果ではない状況ですから、必然的に悪いたらればの方が優先されてしまいます。

自分はどこかで大きな過ちを犯したんだ。自分がやってきたことは全て無駄だったんだ。自分が思っているほどあの人は自分のことを好きではなかったんだ。

ついには、自分がこんなに頑張っているのに、それが分からないあの人は悪い人だ。なんだか許せなくなってきた。と、何もしていないのに仲間を悪役にしてしまったりします。

その人は本当に自分に何かしたのでしょうか?

実際は何もしていません。

実は一人芝居なのです。一生懸命になり過ぎて、期待が大きくなり過ぎていた自分が作り出した妄想。それをいつの間にか現実のように認識してしまっているのです。一種の自己暗示。

それらを現実だと思ってしまった状態というのは自分で簡単に気付くというのは容易ではありませんが、何かのきっかけで少し気付けそうになることがあります。夢の中にいる自分に気付けるように。

その夢から目を覚まさなければなりません。

そのために有効だと言われている一つの手段に、心を真っ白にして、自分の呼吸だけを感じることを意識することがあります。本当の現実だけを感じることで、自分を取り戻します作業です。
呼吸だけを意識しようとしてもすぐにいろいろ頭に浮かんでくるものです。そのときは、リセットし再度呼吸に集中します。

すると実は何も変わっていないことに気付けてきます。
勝手に期待し過ぎて、勝手に裏切られた気になっていた自分に気付くことができます。

周りの人たちを悪役にしていた自分に気付けると、安心できます。
自分の妄想で周りの人を悪役にしていたことに罪悪感が出てくるかもしれませんが、それは甘んじて受けましょう。

精神不安を感じるなら、一度ご自身の呼吸だけを意識してみてください。自作自演をしている自分に気が付けるかもしれません。

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